鶏の寿命は調べても、書いてあるもの?書き手によってバラバラです。なぜでしょうか。Hacksなりに分析して、鶏やちゃぼ・烏骨鶏の寿命について、情報を整理してみました。また2020年頃から始まったコロナウィルスとの闘い、人間も日々インフルエンザやコロナウイルスなどの感染症や病気と闘っているのをすごく痛感する日々が続いていますが、生き物である以上、鶏も同じように病気と闘いながら生きています。ペットで犬や猫を飼育したことがある方も狂犬病の対策で予防接種などを受けたことがあると思います。鶏を飼育する上で最低限必要な病気対策や、それでも後からかかってしまう可能性がある病気についても調べました。飼育する上で最低限必要な届け出や報告、最後、亡くなってしまった時の方法についても調べています。鶏はペットとしても飼育できますが、人間の生活に欠かせない、命や食生活を支える「家畜」としての役割も重要な生き物です。
雑誌に掲載されました🐓 – Hacks (hacks-diy.com)
鶏の寿命はどれくらいなのか?短かったり長かったりする理由
鶏の寿命、長い・短いに影響するものは何か?
飼い始める際に鶏の寿命を調べてみましたが、あまり明確に記載があるようでない、というか読み物によって、バラバラに書かれていることが多いです。情報をまとめてみると平均的な寿命は5.6年ほどのよう?寿命が長い方の鶏で10年程度、15年や30年と長寿だった事例もあるようですが、短いものだと18か月や2~3年などとも。なぜこんなに寿命についての記載がバラバラなのか。鶏やちゃぼ・烏骨鶏の寿命を知るには、飼おうとしている鶏がどんな種類なのかをしっかりと把握する必要がある様子。15年生きたという高寿命の鶏は、恐らく大切に育てられた観賞用の種類でかつ雄の話だと思っています。鶏の寿命は、にわとりの品種と、雌か雄か、飼育の仕方によってバラバラなようなのです。
改めて大雑把に鶏の品種とは…
①ペットとしての犬や猫と同じように飼われている品種(主にチャボ・矮鶏などの寿命)
②金魚やクジャクの様に観賞用として飼われている品種(尾長鶏など の寿命 )
③牛や豚・羊の様に家畜として飼われている品種(食肉用・採卵用・卵肉兼用など種類毎にも違う寿命)
など、とても人間と身近に暮らしてきたからこそ、その鶏を飼育する目的や人との関わり方によって種類や系統が分かれており、それぞれで寿命が異なるようです。また鶉(うずら)でもそうなのですが、卵を産まない雄と卵を産む雌とでは寿命が違います。
調べてみた限り、鶏の寿命に及ぼす影響が大きそうな原因は、ざっくりと4つのようです。
A.品種による特徴で、卵を産む回数が多い種か・少ない種か(産卵数が多いほど、寿命は短い)
B.品種による特徴で、卵を産む前後に休む(抱卵・換羽など)ことが出来る種か(休まない種は寿命が短い)
C.ストレスが無い環境や餌を与えられているか(環境や餌が悪いと寿命が短い)
D.細菌やウィルスなど外部から持ち込まれる病気の対策がされているか(病気になると寿命が短い)
鶏の種類としては、①チャボなどや②尾長鶏などの品種は、卵を産むことに特化していないので比較的長生きで、寿命が長い。③の中でも、採卵用や卵肉兼用のメスは特に体力を使い切るまで卵を産み続けることに特化しているので、産卵に起因する病気(卵管系の疾患)にもかかり易く、寿命が最も短いようです。
鶏の寿命!品種や雌雄によってどれくらいの違いがあるのか?
鶏の寿命は3年~10年!幅がありすぎる!と言うことで、私が調べた「鶏の寿命」についての情報を大まかに品種や雌雄ごとに分類すると以下のような感じ。(ご参考まで)
・鶏の寿命が長い(10年ほどかそれ以上)… 観賞用(尾長鶏など)や愛玩用(矮鶏など)の雄や長生きした雌
・鶏の寿命が平均的(7・8年ほど) … 肉用の雄雌や卵用・卵肉兼用の雄、観賞用や愛玩用の雌など
・鶏の寿命が短い(3・4年程)…卵用・卵肉兼用の雌(抱卵をしない品種の雌は休まず産むため、特に短い)
ペットとして長く飼う・寿命が長いものを選ぶには、卵をあまり産まない品種、愛玩用として親しまれている品種や、そもそも卵を産まない雄を飼育すると、長く寄り添ってもらえるようです。 また鶏の種類によるところにて、寿命に影響が大きい A. 品種による特徴で、卵を産む回数が多い種か・少ない種か 、 B. 品種による特徴で、卵を産む前後に休む(抱卵・換羽など)ことが出来る種か どうかの他に、寿命を短くしてしまうのが、 C.ストレスが無い環境や餌を与えられているか どうかです。ここは業務用でもケージ飼育の鶏と平飼いの鶏、配合飼料ばかりを与えられている鶏で寿命が違うようなので、自宅で飼育する時には気を付けてあげたいところです。
ちなみに寿命とはちょっと違いますが、養鶏場の鶏は、ブロイラーなどの食肉用だと生後7~8週(49日~58日程度)で出荷されるようです。地鶏などでは歯ごたえなどを考えて生後4・5月ほどで出荷する品種もあるようです。メスではまだ卵を産まない時期に食肉用・卵肉兼用の雄は、食べられるために寿命を迎えてしまうことが多いようですね。また卵肉兼用や産卵専用の種類の雌は2年たつと①産卵数が落ちること、②肉が硬くなり食べられなくなってしまうこと等から、1年半から2年程度で締めて、食肉とされることが多いようです。ちなみに上記は殆どメスの話、養鶏場では卵用はもとより食肉用もオスは味が劣る等の理由から、種鶏(交配用の雄)の一部を残して、ほとんどが選別されてひよこの内に殺処分されているようです。鶏と人、どちらにせよ沢山の命を支えるための効率を考えての事ですので、良し悪しではなく大切に有難く頂いていければなと思います。
D.細菌やウィルスなど外部から持ち込まれる病気の対策がされているか については、こちらの記事の中で触れていきますが、環境の整え方については前の記事も参考にしてみてくださいね。
参考)鶏の飼い方⑤…鶏が心地よい環境・生活リズムとは?餌やお散歩・砂浴び等のお世話 / Hacks (hacks-diy.com)
気を付けないといけない病気と対策、ワクチン接種について
鶏やちゃぼ・烏骨鶏なども鳥類であり家畜としても管理されている鳥です。鳥類には気を付けて対策(ワクチン)を取れば防げる病気も多く、多くの養鶏場では計画的にワクチンを接種しています。個人的にひよこからの購入や卵からの孵化、大量に一度に飼うことを見送ったのも、この対策が個人だと費用的にも高額になり易く、また専門知識も無い為、厳しいと思ったのが大きいです。また1羽だけだと感染症なのか個体独特のものなのか分かりにくい為、2羽を選択しています。ワクチンなしで育ててる方もいますし、比較的、簡単に変える身近な生き物です。ただ卵を口にすることがもともと目的であったのと、育ててみればとても可愛い命、ちょっと厳しめに対策をしていくことも重要かなと考えています。養鶏場ほどの管理は出来なくても①身近な鳥類を見てくれる獣医師さんを探しておくこと、②相談先の家畜保健衛生所の場所を把握しておくことは重要だと思っています。
☆気を付けるべき食べ物や餌についてはこちらの記事を
鶏の飼い方⑤…にわとりにあげる餌、日々の世話、お散歩の価値、砂浴びの様子など / Hacks (hacks-diy.com)
★病気対策参考サイト・・・ワクチネーション (nlbc.go.jp)
鶏のかかる可能性がある病気とワクチンがあるもの
鶏の病気の内容それぞれに関してはこれからも勉強が必要ですが、代表的なものでワクチンが有効なものには、マレック病・ニューカッスル病・鶏伝染性気管支炎・伝染性ファブリキウス嚢病・鶏痘などがあるそうです。特にニューカッスル病に関しては、過去にワクチン未接種の愛玩用の鶏が掛かったことがあり、野鳥からの感染がある可能性がある病気らしく注意が必要そうです。一般の養鶏場などでは、ワクチン接種により卵から人へ影響が出るのを防ぐため、卵を産むようになる前までに接種を済ませるようです。うちの鶏もそれぞれのワクチンを接種したものを譲り受けています。効果を持続させるために定期的に受けた方が良いものなどもあり、家畜保健衛生所というところで詳しく相談に乗ってもらえるようです。
★全国の家畜衛生所の一覧・・・動物衛生研究部門:全国家畜保健衛生所一覧 | 農研機構 (affrc.go.jp)
鳥インフルエンザにはワクチンが無い?…必要な届け出先や相談先
ワクチンが無い病気もあり、最もよくニュースなどで聞く鳥インフルエンザにも、完全に拡散を止められるようなワクチンが無いようです(コロナと同じように鳥インフルエンザも型があり変化しながら蔓延していくとのこと)。感染症に掛かりにくい様に、感染しやすい時期やその病気が流行っている時期は散歩なども小範囲で野鳥との関わりにくくすることしか防ぐ手段がないようです。万が一罹ってしまったときにも迅速に対応してもらえるように飼育の届け出をする必要があると思います。鶏は家畜として管理されており、ペットとして飼育していたとしても、1年に1回、飼育状況の定期的な届け出(報告)が必要な動物です。毎年2月1日時点の飼育数や飼育者の情報を2月1日~6月15日までに届け出ます。届け出の期間も長いし、内容もそれほど難しいものではない、しかも年に一度だけですので必ず届け出するようにしています。ペットとして飼う程度なら報告(届け出)だけで、許可が必要というものではないので安心しました。詳しい届け出方法は、次の章で詳しく記載しています。
★定期報告の詳細・・・家畜所有者の「定期の報告」|農林水産|東京都産業労働局 (tokyo.lg.jp)
届け出をしておけば、ちゃんと行政と連携して安心!※2023年1月追記
どんなに対策をしていても自然の脅威と1人で戦うのって大変です!
過去にも何度も鳥インフルエンザなどの感染症が流行り養鶏場での殺処分などがニュースとなり、見られた方も多いと思います。特に2023年には世界的に鳥インフルエンザの流行が拡大し、日本でも1000万羽近い鶏が殺処分されたとニュースになっていました。担当している農林水産庁や連携する都道府県等も対策を講じているようです。鶏はペットとしても可愛いですが、個人で飼育する私たちも人の命を守る大切な食料、家畜として通常の愛玩動物以上に注意を払う必要がある生き物であることも自覚する必要を感じています。
先日、Hacksが居住している板橋区、東京都からも以下の様なお知らせと消毒用アルコールが届きました。1羽でも可愛いし、誰かの命を守るために手塩にかけた鶏たちが殺処分されるなんてとても辛いこと。自覚して対策が必要です。まずは届け出(以下に記載する定期の報告)をしっかりと行っていこうと思います。(写真は家畜保健衛生所から届いた緊急のお知らせと同封されていたアルコール消毒液です)
罰則あり!ペットで飼う人も必要!家畜所有者の「定期の報告」
犬や猫などの動物を飼育する場合、定期的にワクチンを打ったり、飼育の届け出をすることは知られていますが鶏をペットとして飼育する場合では、どうなのでしょうか。インコや文鳥などは特に届け出などしてなかったような・・・私も飼うと決まってから知ったのですが、鶏に関しては『家畜伝染病予防法』という法律に基づいて毎年飼育に関しての届け出(報告)が必要です!
1年に一回だけですので、それほど手間がかからないですので、私も飼い始めて報告時期が来てからは毎年報告書を提出しています。また一回届け出をすると2年目からは「東京都家畜保健衛生所」から丁寧にお知らせと報告書、送付用の封筒まで同封されて連絡が来るようになります。
ちなみにこの報告、かなり重要で実は届け出してないと、なんと『罰則』もあります。(詳細は後述)
人の食生活を支える大切な生き物だからこそ、感染症が発生した時などの対策がちゃんと取り組まれており仕組化がされているのだと思います。
以下、令和4年に東京都家畜保健衛生所からのお知らせの一文(抜粋)
”…この報告は、高病原性鳥インフルエンザや豚熱、口蹄疫等の悪性家畜伝染病の発生予防や迅速な貿易措置を的確に実施するために必要な情報を収集し、有事に備えるためのものです。…”
定期報告が必要な人は?
まず鶏を飼育している人で定期の報告が必要な人は誰か?についてですが、鶏にあたっては1羽でも飼育していたら報告が必要です。飼育目的がペット(愛玩)用だとしても、畜産用だとしても、関係がありません。また鶏に類するもの「チャボ」「ウコッケイ」も同じく届け出が必要です。ただし飼育頭数によって届け出の内容は、大きく二つの区分に分かれていて、区分①が「小規模所有者」と区分②が「小規模所有者以外」となっています。小規模所有者とは、「100羽未満」を飼育している人こと。大規模な養鶏場を経営しているのでない限り、ほとんどの人はこの「小規模所有者」に該当するかと思います。
小規模所有者の届け出内容は「基本情報」と言われる以下二つの内容です。
(ア)家畜所有者及び衛生管理者の氏名、住所、連絡先(電子メールアドレス、携帯電話番号、電話番号、FAX)、管理する衛生管理区域の住所
(イ)飼養している家畜の種類及び頭羽数(2月1日時点の飼養頭羽数)
私が気になったポイントは3つ。⑴ 衛生管理者って何?⑵2月1日時点?⑶届け出しないとどうなる?
報告書の記載内容自体はとっても簡単なのですが、上記3点について確認した内容を以下に記載していきます。
なんか難しそう…⑴鶏飼育に必要な(飼養)衛生管理者とは?
飼養管理者とは、令和2年に新設されたばかりの制度(飼養衛生管理者制度)で定められている家畜の衛生管理に関する責任者の事です。
うわっ、鶏って飼うのに資格が必要になるの??と最初は驚きましたが現時点(令和4年4月現在)では何か資格が必要というわけではありません。飼育や衛生に関する知識や情報を正しく理解して、責任をもって育てましょう。という意味合いが強いようです。国や地域で感染症が発生した時や知識に関する情報提供もしっかり行っていくので、一緒に勉強してね!ということ。定期報告書の案内ともに、「飼育衛生管理基準ガイド」や「飼育衛生管理基準チェックリスト」なる冊子が、同封されてきたのも、このためだと思います。講習会も実施されているようです。また飼い主以外の専門家が必要なわけではなく、飼い主と同じ人、本人がなることができます。※Q&Aでも、愛玩用(ペット)として飼育している人の場合は、日ごろお世話をしている人が望ましいと書かれています。
添付されていたQ&Aによると、衛生管理者の業務は以下3つです。
①衛生管理区域に出入りする者の管理(チェック・指導)
②衛生管理区域の従業員への飼養衛生管理基準の周知・教育等
③国・都道府県から共有される家畜衛生に関する情報を踏まえた対応
連絡先の登録が必要なのも③の情報発信のためと記載してあり、ちゃんと報告をして、万が一には備えていかないといけないですね。
⑵報告の基準日・タイミング 2月1日時点とは?
こちらの家畜所有者や衛生管理者を届け出する「定期の報告」のタイミングですが、年に1回きりです。
その年の2月1日時点に飼育していた羽数を確認し、その年の6月15日までにその内容を報告します。
つまり、2月2日以降に、新たにニワトリを飼育するようになった場合は翌年まで届け出は必要ありません。
飼育し始めてすぐに何か届け出や報告をしなければいけないものだと思っていたのですが、翌年まで待って問題ないそうです。ただし、飼い始めたタイミングで報告や届け出をしてはイケナイというものではなく、Q&Aの記載を見ると「提出していただけるとありがたいです。」とまで書いてあります。
情報を登録することで情報の連絡が来たり、翌年の報告書やガイドブックが届くようになるのかなと思うので出来れば連絡しておいた方が良いと思います。しかも、電話でもOKで、必要な項目を、聞き取りしてくれるそうですよ!100羽未満であれば、先に記載した「基本情報」(アとイの内容)を伝えるだけなので、とても簡単だと思います。
⑶報告(届け出)をしなかった場合どうなる?罰則は?
定期報告ですが、所有者に加えて、この飼養衛生管理者の報告(届け出)を兼ねて行われるもので、この報告がされないと、なんと罰則があります。
「飼養衛生管理者」の届け出をしなかったり、飼養衛生管理基準の不遵守に該当したりした場合に科される可能性があるもので、場合によっては、100万円以下の罰金や氏名が公表されるといった罰則があります。また、定期報告において、管理者の氏名、連絡先等を報告せず、又は虚偽の報告をした場合は30万円以下の過料が科されることもあります。
うゎまずいと思った方、届け出が間に合わなかった方、また2月1日時点で飼育がなかった方、情報に変更があった方などでも、電話でも受け付けてくれるようですし、まずは最寄りの家畜保健衛生所に連絡を入れてみられることをお勧めします。私も一度相談したことがありますが、すごく丁寧に対応してくれると思います。
鶏の見送り方、鶏が亡くなった場合
様々な病気や、また病気でなくとも寿命を迎えた鶏さんのお見送りの方法は様々です。養鶏として、元気なうちに自分で捌いて、ありがたく戴くことも重要な選択肢の一つだと思っています。が、うちでもそうですが少数を飼っていると中々に愛着が沸き上がり、中々食べるって言うのは難しくなってきてしまうような…飼うからにはいざ鶏が死んじゃったってなる前にどうするかをいつも話し合ってます。(まだ夫はちょっと食べようと思ってるところがありますが)調べてみたのですが、犬や猫と同じように鳥類のペットも出張などの方法で火葬してくれるサービスがあるようです。うちでの見送り方は、まだまだ悩んでいるところではありますが、10年、15年と付き合うことになった時には、候補の一つとして考えても良いかなと思っています。
また病気を原因としていた場合は、行政にて引き取ってもらうことになるかもしれません。普段から定期的に獣医さんへワクチン接種にいったり、保健所(家畜保健衛生所)や農協などに届け出をして、地域と連携をしておきましょう。
参考:ペットが死んだら “燃えるゴミ” なのか、長寿化する犬や猫の弔い方 | 週刊女性PRIME (jprime.jp)
参考:関東近郊の鳥さんの葬儀屋さん
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